PTブログ:ハラプリの5分で臨床推論を立てよ:第16回②
こんにちは!!
PTブログ「ハラプリの5分で臨床推論を立てよ」では、理学療法士のお仕事を、ストーリー仕立てで楽しく紹介しています。
臨床推論を立て、評価し、訓練メニューを作成するまでの流れと、使用する自主トレーニングのイラスト例を、ご覧ください!
前回の、「第16回:移乗の時、右手で手摺りを把持することを嫌がる症例」をまだ読んでいない方はこちらからどうぞ!!
解剖学と運動学から患者を診る、そこから逸脱しない、ということを心掛けています!!
(*このブログでのお話は、フィクションです。臨床でよくみられる症例をデフォルメしながら書いてます。)
さてさて、前回の症例の続きです・・・・・。
【臨床推論リセット】
①股関節の可動域制限は、ひとまず置いておくことにする。
②座位姿勢で左股関節が軽度の内転位であり、左ハムストリングスの緊張が亢進しているのは、なぜだろうか・・・・?
→→→左仙腸関節の緩みに対する対応かも知れない、と考える。
③体幹の左回旋について、腰仙関節(L5と仙骨との関節)で考えてみる。
→→→これは、L5左回旋―仙骨右回旋(仙骨face sideが右を向く、という人もいます)である。
→→→この際、左仙腸関節は「うなずき運動」をする。
④症例は、もしかすると、この動きにより、痛みか不快感を感じていたのかもしれない。
→→→それで、右手でのリーチ=体幹の左回旋を、拒んだのかもしれない??
<PTハラプリのハラプリポイント>
仙骨の動きは、
「ニューテーション=うなずき運動」
「カウンターニューテーション=起き上がり運動」
「トランスレーション=前後左右の並進」
などがあります。
これはよく知られていることですね。
ちなみに仙骨は体幹の動きに合わせて左右回旋もします。
仙骨の正面をface sideといいますが、このfase sideが右を向いたり左を向いたりします。
この際、仙腸関節には、「うなずき運動」と「起き上がり運動」との複合運動がおこります。

⑤仙骨のうなずき方向の動きを制動する筋は「大腰筋」である。
→→→症例の場合、左大腰筋の筋力を調べることは困難である。
→→→そこで、まずはトレーニングを工夫して行い、アプローチして確かめてみるしかない・・・・。
【トレーニング】
方針➡左大腰筋トレーニングを行ってもらい、様子を見る。
*トレーニングの行い方は「反射」を利用する。
下のイラストのように膝を持ち上げる動作はセラピストが他動的に行う。
セラピストが手を離すと、反射的に股関節屈曲筋が働く。

よく観察すると、必ず原因があるものだよ・・・・。
これでミネ子さんも、私に患者さんを押し付けて食事に行くことはなくなるだろう・・・・。
正義は勝ったのだ・・・・。
ふっ・・・・。」
せんせい、アメージング♥
これで、一階にいるときも、先生に頼みやすくなりました♥
さっそく、トイレにつれてってあげてくださ~い♥」
そんなわけで、ハラプリ先生!
トイレ介助お願いしま~す♥」
しかも、ラーメン!?
・・・・・・・ダ、ダイエットは??)
こうして、ハラプリのおかげで、トイレの妖怪は退散され(?)、妖怪のうわさは消えた・・・・・。
しかし、スタッフルームのお菓子は、その後も減り続けたのだという・・・・。
やはり、この施設には、妖怪がいるのかもしれない・・・・・。
<終>
こんな感じで私は、解剖学と運動学をもとに患者を診ることを大切にしています。
良かったら、次回もよろしくお願いします!!
*(「ハラプリの5分で臨床推論を立てよ」は、フィクションです。臨床でよくみられる症例をデフォルメしながら書いています。)
*(当サイトのイラストは、理学療法士・作業療法士・スポーツトレーナー等の専門職が、自主トレーニング指導のために利用することを目的としています。
正しい利用がされない場合に生じたトラブルに関しては、一切責任を負いかねます。)
*(次回は、第17回:「左片麻痺。立脚で体幹前傾し、振り出し時には引っ掛かる」です!!)
ネタ提供:PTハラプリ
編集:PT・Ogawa
ハラプリの5分で臨床推論を立てよ:第16回②<終わり>